はじっこ49

幼稚園、ただの園外活動だった。しかも発表会ではいつもはじっこ。
この時期すでに、外見も実力も不可欠だと想い知る。

 

小学生、クラシックバレエのレッスンに拒否反応。
レッスンに通う江の電で、心も身体もしばし具合が悪くなる。
この時期すでに、定番の規則だらけの型ではなく、もっと自由に踊りたいと願う。

 

中学生、創作ダンス活動にかなり夢中。
先生に中学生らしからぬ発想と強く注意を受ける。
この時期すでに、けっこういけるかもと独りほくそ笑む。

 

高校生、ダンス部退部。誘われるままに週5日、町のダンス教室の講師になる。
この時期すでに、二度とダンス講師はやるべきではないと心に決め
自らが踊りたいのだと確信をする。

 

その後、数々のオーディションを受けるがほぼ落ちつづける。一大決心をする。
自分の踊りを創る、オーディションを受けない。
よければ見つけてもらえるはずだとかたくなに想う。
オリジナルダンスだけで勝負する事だけを誓って。

 

その後その後
けっこう見つけてもらえるようになる。ちいさな喜びが積み重なる。

 

今振り返ってみる
私はダンスがすきとか、生きがいだとかどうやら想ってこなかったようだ。
ひとつの使命だと想い込みつづけているようだ。
踊りに触れて49年、まだまだはじっこだ。

 

 

南流石

05/13/10

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